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離婚時の不動産売却で後悔しないためのポイントと注意点を解説
2025-03-16

離婚時の不動産売却で後悔しないためのポイントと注意点を解説



離婚時は人生の大きな転機のひとつです。その中でも「不動産の売却」は特に感情的・金銭的に大きな影響をもたらします。

共有名義や住宅ローン、住み続けるか売却するかといった判断は、当事者にとっても非常に複雑でストレスのかかる問題です。ここでは離婚に伴う不動産売却で後悔しないための重要なポイントと注意点について解説します。

 

1.離婚と不動産売却の関係


離婚と不動産売却の関係

結婚生活を始める際に購入したマイホームは、離婚によって「財産分与」の対象となります。財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を原則として折半することを意味します。そのため、不動産もどちらか一方が取得する、もしくは売却して現金化し、分け合う必要があります。

ただし、次のような要素が関わってくるため、単純に売って分ければいいというわけにはいきません。

✅名義はどちらか
✅住宅ローンの残債があるか
✅売却後に得られる金額
✅どちらが住み続けるのか

トラブルや感情のもつれが生じやすい財産です。したがって離婚協議において不動産をどのように扱うか早い段階で整理することがスムーズな離婚成立と将来のトラブル防止につながります。



財産分与の対象となる不動産

まず押さえておきたいのが、不動産が「財産分与」の対象となるかどうかです。これは、不動産の購入時期や購入資金の出所によって判断されます。
 

原則として、婚姻中に夫婦の共有財産として取得した不動産は、どちらの名義であっても「共有財産」として扱われ、離婚時に分割の対象となります。
 

*たとえば次のようなケースも共有財産にあたります*

◆名義は夫単独だが、共働きで生活費を分担し、妻もローンの一部や生活資金を負担していた
◆妻名義だが、夫の資金提供で購入した
◆頭金は夫婦で話し合い、ローン返済も共同で行っていた

逆に、婚前に購入した不動産や、相続・贈与で取得した不動産は、特有財産とされ、財産分与の対象外となる可能性があります。

2. 売却か住み続けるか?判断基準と選択肢


離婚時には、以下の3つの選択肢が一般的です。
 

(1) 売却して現金化する

もっとも一般的な方法です。不動産を売却して得た金額を分ける形となります。ただし、住宅ローンが残っている場合には「オーバーローン(売却額よりローン残債が多い)」の状態になっていないか要注意です。

(2) どちらかが住み続ける

たとえば、子どもがいる場合には、親権を持つ側が住み続けることがあります。この場合、以下のような手続きが必要です。

相手の持分を買い取る住宅ローンの名義変更(金融機関の承認が必要)
名義やローンの取り扱いが不十分だと、後からトラブルになる可能性が高いため、法的な手続きを怠らないようにしましょう。事前に専門家(弁護士・司法書士・不動産会社)に相談することが重要です。




(3) 賃貸に出す

売却せずに第三者に貸すという方法もあります。すぐに現金化できないデメリットはありますが、市場価格が下がっている場合などは一時的な対策として有効です。ただし、家賃収入の分配など新たな問題が発生することもあります。


3.不動産の名義とローンの確認


不動産の「名義」が誰なのか、「住宅ローン」はどちらが支払っているのか、まずは正確に把握する必要があります。



名義は共有か単独か?

多くの夫婦は共有名義(持分割合50:50など)で登記されています。しかし、実際に資金を出した割合と異なる場合は、財産分与時にトラブルになりやすくなります。
 

また、夫名義のみ、あるいは妻名義のみであっても、婚姻期間中に購入された不動産であれば「共有財産」として扱われます。形式的な名義だけでなく、実質的な寄与度や支払状況も考慮されます。




【よくあるケース】
◎単独名義:夫または妻どちらか一方の名義
◎共有名義:夫婦それぞれが一定の持ち分を持っている(例:夫1/2、妻1/2)



 

ローン名義と連帯保証の確認

住宅ローンの契約が「連帯債務」や「連帯保証」の形になっていることもあります。この場合、一方が支払わないと、もう一方に返済義務が生じるため、名義変更や債務整理は慎重に進めるべきです。



住宅ローンの契約内容を把握する
不動産の名義と同様に重要なのが、「住宅ローンの契約者がだれか」という点です。ローンを組んでいる金融機関に問い合わせることで次のような情報を確認できます。
 


【チェックすべきポイント】
・主たる債務者はだれか(夫か妻か)
・連来債務者になっているか
・連帯保証人になっているか
・返済はどの口座から行われているか
・団体信用生命保険の契約者はだれか
 
 
契約形態 特徴
単独債務 夫または妻のどちらか一方がローン契約者。名義も単独が多い。
連帯債務 夫婦がともに主たる債務者。双方に返済義務がある。共有名義に多い
ペアローン 夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを組む。2本のローンがある。
連帯保証 一方が主債務者で、もう一方が保証人。返済不能時に保証人へ請求が及ぶ。


このように、住宅ローンには複数の契約パターンがあり、契約内容によって離婚後の責任の所在や名義変更の可否が大きく異なります。



例えば、離婚後に夫が住み続けるために妻の持ち分を買い取る場合、以下の2つの手続きが必要になります。

①所有権移転登記(持分移転)
②住宅ローンの債務者変更(金融機関の承諾が必要)


しかし、住宅ローンの名義変更や債務引継ぎは、金融機関の審査を通過していないと実現できないため、注意が必要です。相手に返済能力がないと判断されれば、名義変更を拒否されることがあります。

また、名義だけ変更してローンがそのままというケースでは、不動産を所有していない元配偶者がローンだけ支払い続けるという不合理な状況も発生します。


 

4. 売却のタイミングと市場の見極め


離婚の話し合いが進む中で「できるだけ早く売りたい」と考える人も少なくありません。しかし、不動産市場の状況によっては「待ったほうが良い」場合もあります。



市場価格を調査する

複数の不動産会社に査定を依頼し、相場感をつかみましょう。周辺の成約事例や築年数、立地なども加味して総合的に判断することが大切です。



相場より安売りしないよう注意

離婚の感情に流され、相場より大幅に安く売ってしまうと大きな損をすることになります。多少時間がかかっても適正価格での売却を目指すべきです。


ただし、早めの整理が「後悔」を防ぐことも…
離婚が成立してから名義やローンの整理をしようとしても、感情的な対立が進み、協議が難航する場合があります。そのため、離婚協議書や公正証書などの文書で明確に取り決めておくことが重要です。
 


【取り決めに盛り込むべき内容例】
・不動産の最終的な所有者はどちらか
・売却する場合の分配比率
・名義・ローンの変更スケジュール
・売却しない場合のローン返済責任
 


これらを弁護士や司法書士のアドバイスを受けながら、法的にも有効な形で文書化しておきましょう。

 

 

5. 売却益と分配と税金の扱い


売却して現金化した場合、その利益をどう分けるかがポイントになります。



財産分与の割合

原則は2分の1ずつですが、事情によっては「寄与度」(どれだけ費用を負担したか)を考慮して調整される場合もあります。話し合いで決着しない場合は、家庭裁判所での調停や審判が必要となります。



譲渡所得税に注意

売却により利益が出た場合、譲渡所得税がかかることがあります。ただし、以下のような特例により非課税または軽減されることもあります。

✅3,000万円の特別控除(マイホーム売却)
✅所有期間5年越の軽減税率
 

適用には条件があるため、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

 

6. 手続きは「感情」ではなく「法的根拠」で


離婚にまつわる手続きでは、感情的になりがちですが、不動産売却に関しては「法的な正当性」が何よりも重要です。自分に不利な条件で手続きを進めてしまうと、後々まで尾を引くトラブルに発展しかねません。
たとえば、
✅書面での取り決めをせず口約束だけで進めてしまう
✅名義や債務の整理を曖昧にしたまま離婚届を出してしまう
といった対応は避けましょう。可能であれば、弁護士や不動産の専門家に同席してもらい、客観的な視点でアドバイスを受けることが望ましいです。



目的を「未来志向」に設定する
まず、「なぜこの不動産を処理するのか」という目的を明確にしましょう。
✅新しい生活のスタートを切るため
✅子供の生活環境を守るため
✅金銭的トラブルを未然に防ぐため

このように目的を「過去」ではなく「未来」に置き換えることで、感情的な対立を回避しやすくなります。たとえば「私が多くはらったからこの家は私のもの」という思考から「どう分ければお互いに再出発しやすいか」という視点に切り替えることで、話し合いが前に進みやすくなります。



話し合いは「第三者を交える」
感情のもつれがある二人だけで話し合いを続けると、些細な事でも衝突に発展しやすくなります。そこで、冷静な判断を促すためには信頼できる第三者の存在が有効です。

〈例〉
・弁護士(法的中立な立場で整理してくれる)
・不動産会社(資産価値に基づいた客観的な判断ができる)
・ファイナンシャルプランナー(今後の生活設計を踏まえた提案が可能)

感情が高ぶりやすい場面では、あえて専門家に進行を任せることで、お互いが冷静になれる時間的・心理的な 「間」を持つことができます。


判断は「データ」と「書面」で
感情が入る余地を減らすためには「数字」や「書面」に基づいて判断することが有効です。
✅不動産査定書(複数社から取得)
✅住宅ローンの返済状況
✅売却後に手元に残る金額
✅法律的に有効な離婚協議書や財産分与協議書

これらを根拠にすれば、話し合いは「私がどう思うか」ではなく、「数字と事実に基づく提案」に変わり、冷静な協議をしやすくなります。


 

7. 専門家の活用と適切なパートナー選び


離婚という人生の大きな転機に直面したとき、不動産の売却は避けて通れない問題です。しかし、法律・税務・心理面など複雑な要素が絡みあうため、個人だけでスムーズに解決するのは困難です。そこで重要になるのが、専門家の活用と状況に応じた適切なパートナー選びです。

 


*離婚時の不動産売却では、以下のような専門家の協力が不可欠です*

弁護士:財産分与やローン問題の法的整理

  • 税理士:譲渡所得や特例適用の判断

  • 不動産会社:査定や売却活動の実施

  • 司法書士:名義変更などの登記手続き
     
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    【弁護士に依頼すべきケース】

    ✅財産分与で不動産の扱いで揉めている
    ✅名義変更やローンの処理に不安がある
    ✅相手と直接話すのが難しい・感情的な対立がある
    ✅離婚協議書・公正証書に不動産売却の取り決めを盛り込みたい

    弁護士は、法律に基づいて、客観的かつ中立な視点で状況を整理し、感情に左右されない公平なアドバイスをくれます。


    【司法書士:登記変更・権利関係の処理】

    不動産の売却や名義変更に必要となる登記手続きは、司法書士の専門分野です。具体的には次のような場面で活躍します。

    ✅不動産の所有権移転登記(共有持ち分の移転など)
    ✅名義変更の申請
    ✅抵当権の抹消登記(ローン完済後)
    ✅離婚後に必要な相続対策や登記整理

    法務局への書類提出には正確性が求められます。自己流で行うと手続き不備で無効になるリスクがあるため、司法書士のサポートは心強い存在となります。


    【税理士:譲渡所得や特例の確認】
    不動産を売却すると、売却益(譲渡所得)に応じて税金が発生する可能性があります。そこで税理士に相談することで次のような判断が可能になります。
     


    〈確認すべき主な税務ポイント〉
    ・譲渡所得税がかかるかどうか
    ・「3,000万円特別控除」など適用可否
    ・売却時期による課税タイミングの違い
    ・離婚時に名義変更した場合の贈与税リスク

    税制の適用条件は非常に細かく、適用を誤ると思わぬ納税義務が発せすることも。
    売却前に税理士に話しておくことで、節税しながら適正な処理が可能になります。

     



     

    信頼できる不動産会社を選ぶことも非常に重要です。特に「離婚案件に強い」不動産会社は、感情面にも配慮しながら、スムーズに手続きを進めてくれることが多いです。
    地元に強い会社か、全国対応型か

    例えば、地方の戸建などは、地元の相場や売却の傾向に詳しい業者の方が心強いことがあります。
    信頼できる会社かどうか、売却実績をみて、判断することも可能です。

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    8. まとめ

    後悔しないために、準備と冷静さを
     

    離婚時の不動産売却は、感情とお金、法律が複雑に絡み合う問題です。しかし、しっかりと準備し、冷静に選択肢を見極めれば、将来的な後悔を防ぐことができます。

    以下の点を意識して進めましょう。

    名義・ローンの確認と整理売却か保有かの明確な判断適切な査定と売却戦略税金・法的リスクへの備え専門家の協力と信頼できるパートナー選び

    「感情を整理すること」と「資産を整理すること」は別問題です。冷静な判断と適切な対応で、新しい一歩を踏み出しましょう。

    ページ作成日 2025-03-16