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奈良市の地域密着不動産会社が解説|空家のツタはなぜ危険?水道や建物を守るための放置NG対策

近年、社会問題となっている「空家」。
その中でも以外と見落とされがちなのが、ツタなどの植物による被害です。
ツタは見た目は緑豊かで、一見美しく映ることもありますが、放置すると外壁や屋根に深刻なダメージを与え、水道管や排水設備にまで悪影響を及ぼすことがあります。
「なぜツタが危険なのか?」を理解し、正しい対策を講じることは、空家の資産価値を守るうえでとても重要です。
本コラムでは、ツタのリスクと具体的な解決法についてわかりやすく解説します。
1.空家にツタが生える理由
ツタが空家を好む環境とは?
ツタが空き家を好む理由として、人の手が入らず放置されやすい環境が挙げられます。
ツタは管理が行き届かない場所で特に成長しやすく、空き家の外壁や庭の隙間を利用してどんどん繁殖します。
また、空き家周辺には雑草や湿気が多い場合があり、これもツタにとって理想的な生育環境を提供しています。
こうした特徴から、空き家はツタにとって絶好の生育地となってしまうのです。
ツタの正育条件と空家の関連性
ツタの成長には、適度な湿気、日光、そして絡まることができる構造物が必要です。
空き家は、手入れが行われていないため屋外の湿気が溜まりやすく、また外壁や塀といったツタが絡むことのできる場所が豊富です。
そのため、通水が適切に行われていないことによる湿気の蓄積が、さらにツタの成長を後押しする要因となり得ます。
特に、放置されている外壁や隙間がある建物はツタにとって格好の繁殖地となります。
外壁や隙間に絡まるツタの特性
ツタは壁面や隙間に粘着性の足や根を絡ませて成長する特徴を持っています。
そのため、空き家のように外壁がむき出しで保護されていない建物は、ツタの侵入と成長を招きやすい状況です。
また、ツタは一度絡みつくと強力に外壁に密着し、簡単には取り除けません。
このため、ツタが成長することで空き家の外壁や構造に負担がかかり、建物の劣化を加速させる原因ともなります。
1.アイビー(ヘデラ属)
・特徴:常緑のつる性植物で、壁やフェンスに絡みつきながら成長します。
・問題点:壁の塗装やコンクリートの隙間に根を伸ばすため、外壁の劣化や雨漏りの原因になりやすい。
・見分けポイント:葉は三角形に近い形で、濃い緑色。冬でも緑色を保つ。
2.キヅタ
・特徴:アイビーと似ていますが、日本の住宅によく見られる在来種です。
・問題点:建物の壁や樹木に絡みつき、外壁のひび割れや瓦のズレを招くことがあります。
・見分けポイント:葉はハート型で光沢があり、茎に吸盤のような小さな根を出して固定する。
3.ツタ(ヤマブドウ系)
・特徴:つる性で勢いよく成長し、放置すると屋根や雨樋まで覆うことがあります。
・問題点:強い成長力で建物の構造に負担をかけ、雨樋や排水設備を詰まらせる。
・見分けポイント:葉ば複数の小葉に分かれており、秋には赤く紅葉する種類もある。
2. ツタを放置するデメリット
建物の劣化を引き起こす要因
ツタを放置することで、建物の劣化が加速します。
ツタの根や茎は成長する際に外壁の隙間やヒビに侵入し、外壁材を押し広げたり剥がしたりすることがあります。
また、ツタに覆われた外壁は湿気がこもりやすくなり、カビや腐食の原因となります。
特に空き家の場合、長期間放置されることが多く、さらに劣化が進行しやすくなるため注意が必要です。
景観や資産価値への影響
ツタが広がると建物全体が覆われ、見た目が荒廃した印象を与えることがあります。
美観が損なわれることで、周辺環境にも悪影響を及ぼし、資産価値の低下を招く可能性があります。
空家の管理不足は地域全体の評価にも関わるため、ツタの放置は避けたい問題です。
害虫や動物被害のリスク
ツタを放置すると、害虫や小動物の格好の住処となるリスクが高まります。ツタの葉や茎の間に害虫が潜み、建物内部や周囲に広がることがあります。
また、小動物がツタを伝って建物内に侵入する恐れがあり、衛生問題を引き起こすことも考えられます。
空家では特にこれらの被害が増加しやすく、適切な管理が求められます。
ツタを放置した場合の修繕コスト
ツタを放置していると、外壁の損傷や建物内部への侵入が深刻化し、修繕コストが高額になる場合があります。
外壁の再塗装や補修だけでなく、害虫駆除や小動物対応のための費用も必要となるでしょう。
また、水道や排水設備に問題が生じた場合、修理費用がさらに増加する可能性もあります。
空き家の維持費を抑えるためには、早期にツタを除去し、定期的な管理を続けることが重要です。
3.ツタの除去と対策方法
ツタを効果的に除去する方法
空き家に生えたツタを効果的に除去するには、まず根本的な取り組みが必要です。
ツタは根元から引き抜くことが重要で、表面上の葉や茎だけを取り除いても再度成長してしまいます。
具体的には、ツタの根を地中からしっかり掘り起こし、可能な限り取り除きましょう。
また、頑丈に絡みついている場合は、外壁や隙間に傷をつけないよう注意しながら専用の刃物やはさみを使用して切断してください。
なお、一度に大規模な除去作業を行うと、外壁を傷める可能性があるため、数回に分けて作業を進めることが推奨されます。
特に高い場所のツタを除去する際は、梯子や足場を安定させ、安全対策を徹底した上で作業を行うことが求められます。
定期的な管理でツタの再発を防ぐ
ツタの除去が完了した後でも、管理を怠ると再び生育する可能性があります。
空き家は人が住まなくなることで管理が行き届かなくなりやすく、ツタの再発を防ぐためには定期的な巡回が必要不可欠です。
具体的には、1~2カ月に1度を目安に外壁や敷地内をチェックし、新たに生え始めたツタを早期に取り除くよう心がけましょう。
さらに、ツタが好む環境を見直すことも重要です。特に湿気がこもる場所や日陰には注意が必要です。
水道の通水などを行い、建物全体の換気を改善することも、ツタの再発防止に繋がるとされています。
また、除草剤の使用を検討する場合は周囲の環境や建物への影響を考慮し、適切な商品を選ぶようにしましょう。
プロに依頼する場合の費用目安
ツタが広範囲にわたる、あるいは外壁に深く張り付いている場合は、個人での対応が難しいことがあります。
このような場合、専門の業者に依頼するのも一つの選択肢です。
プロの業者に依頼することで、効率的かつ安全にツタを除去できるだけでなく、外壁や構造物へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
費用は作業範囲やツタの状況によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が目安とされています。
ツタの除去と併せて剪定や外壁の点検を依頼することも可能な場合があるので、事前に見積もりを取って内容を確認することをお勧めします。
特に空家に長期間ツタが絡まっている場合は、建物の状態による追加費用も発生する可能性があるため、早期の対応がコストを抑える鍵となります。
4. 空家の管理に必要な予防策
定期的な巡回と清掃の重要性
空き家の管理において、定期的な巡回と清掃は最も基本的かつ重要な対策です。
空き家では、人が出入りしないことにより、知らないうちに建物の劣化が進行しやすくなります。
また、定期的な巡回が行われていない場合、ツタや雑草が大量に繁殖し、外観上の問題や害虫の発生原因となる可能性があります。
月に1回以上のペースで巡回を行い、周辺環境や建物状態のチェックを習慣づけるようにすることが大切です。
水道・通水管理で他の問題も防ぐ
空き家では、水道や通水の管理も重要なポイントです。長期間水道を使用しないと、配管内に錆が発生しやすく、赤茶色の水が出たり、水道管が破損するリスクが高まります。
また、排水トラップ内の水が蒸発すると下水からの悪臭が発生し、場合によっては害虫の侵入経路になることもあります。
これらを防ぐためには、1カ月に1回以上の頻度で水道の通水を行うことが理想です。
通水作業時には、全ての蛇口を一定時間開放することで、配管内の錆や汚れを洗い流すことが可能です。
これにより、水道トラブルや衛生上の問題を未然に防ぐことができます。
周辺住民や専門業者との連携
空き家管理を効率的に行うためには、周辺住民や専門業者との連携も必要不可欠です。
近隣住民と定期的なコミュニケーションを持つことで、空き家の状態や周辺地域での異変を早期に把握することができます。
また、空き家管理の一環である清掃やツタの除去、水道の通水作業を専門業者に依頼することで、確実かつ効率的な管理が可能になります。
行政や地域組織が提供するサポート制度についても情報収集を行い、活用することで、管理にかかる負担を軽減することができます。
5. ツタ被害を未然に防ぐための注意点
空家放置が招く長期的なリスク
空き家を放置することで、ツタが繁茂しやすくなるだけではなく、多くのリスクが発生します。
例えば、ツタが外壁に絡まり続けることで、外壁が劣化する原因になるだけではなく、隙間を生じさせて害虫や湿気を呼び込みます。
また、ツタによる建物の景観悪化が資産価値の低下にも直結します。
さらに、空き家が荒廃していると近隣住民や自治体からの苦情が増えることもあります。
これらのリスクを回避するためには、定期的な管理が欠かせません。
地元自治体のサポート制度を活用
空き家管理に関しては、多くの自治体が支援制度を提供しています。
例えば、2015年に施行された「空き家対策の推進に関する特別措置法」では、適切な管理を行っていない空き家が「特定空家等」に指定される場合があります。
ただし、自治体によっては空き家管理や修繕に関する助成金制度を用意しているところもあります。
また、水道や修繕の再開手続きについて相談できる窓口や、ツタを含む植生管理のアドバイスを受けられるサービスも提供されています。
これらを活用することで、費用負担を軽減しながらリスクを防ぐことが可能です。
■空家等対策の推進に関する特別措置法
「近年、適切な管理が行われていない空家が増加傾向にあり、防災、衛星、景観などの面で、様々な社会問題が生じています。こうした空家に対する対策を進めるための「空家等対策の推進に関する特別装置法」が平成27年5月26日に施工されました。
この法律の中で「空家等の所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。」(法第3条)と規定しています。
空家の管理は所有者の皆さんの責任です。
この法律に基づき空家を適切に管理いただきますようお願いします。」
【上記内容】
出典:奈良市公式サイト「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました - 空き家対策 - 奈良市ホームページ(住宅課)
■補助金・控除等
奈良市特定空家等除却費用補助金について
「特定空家等の除却を促進し、市民の安全・安心と居住環境の向上を図るため、奈良市が特定空家等と判断した空家等の除却工事に要する費用について、予算範囲内でその一部を補助します。
※補助金申請額が予算上限に達した時点で、補助金申請の受付を終了します。
【上記内容】
出典:奈良市公式サイト奈良市特定空家等除却費用補助金について - 空き家対策 - 奈良市ホームページ(住宅課)
維持管理費用を抑える工夫
空き家の維持管理費用を抑えるためには、定期的な巡回と早期対応が重要です。
例えば、ツタや雑草の除去、ゴミの清掃、水道の通水といった基本的なメンテナンスを怠らないだけでも、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
水道管の定期的な通水を行えば、錆や破損をぐことができ、水道の修繕費用を抑える効果もあります。
また、専門業者にツタや植生管理を依頼する場合も、定期的な契約にすると一度にまとめて対応するより費用が抑えられる場合があります。
さらに、自治体のサポートや地域の協力、近隣住民との連携を活用することで、無駄な費用を削減しやすくなります。
6. 不動産仲介会社に相談
1. 不動産仲介会社に相談するメリット
リスクを避けるためには、定期的に管理を行うか、思い切って不動産仲介会社に相談し、早めに売却や活用の道を検討することが有効です。
仲介会社を通じて売却を進めれば、ツタや水道設備の修繕リスクを抱え続ける必要がなくなり、買主にとってもの安心できる物件として評価されやすくなります。
また、賃貸や空家活用といった別の選択肢も検討できることも大きなメリットです。
2. 奈良市における空家対策と活用方法
特に奈良市などの地域では、空家対策として行政の支援制度が整備されている場合があります。
不動産仲介会社なら、こうした地域特有の最新情報や制度を踏まえ、売却・賃貸・活用といった最適な方法を提案してくれます。
自分ひとりで空家を抱えるよりも、専門家と一緒に解決策を考える方が、安心で効率的です。
ツタや水道設備の問題を放置せず、資産としての価値を守るために、まずは専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。
7. まとめ
ツタの侵入や繁殖は、空家の見た目を損ねるだけでなく、水道や建物の安全性にまで直結する大きな問題です。
放置してしまえば、修繕や撤去に多大な費用がかかるだけでなく、近隣トラブルに発展する恐れもあります。
だからこそ「なぜツタが危険なのか」を理解し、早めの点検と対策を行うことが大切です。
もし、空家の管理に不安がある場合は、不動産会社や管理業者に相談することも有効な方法です。
適切に対応することで、空家を守り、資産を安全に維持することができます。
ページ作成日 2025-09-14
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